令和5年度 公立岩瀬病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 504 98 114 237 210 255 499 861 716 257
令和5年度の当院の入院患者の平均年齢は56.5歳です。年齢階層別に見ると50代の患者さんはそれほど多くありません。これは地域の高齢化と分娩と小児科を取り扱っている影響で結果としてその中間の年代が平均となっています。年代別に見ると70歳代の患者さんが最も多く、次いで80代、10歳未満のとなっています。当院が地域の小児医療、周産期、高齢者医療に重要な役割を果たしていることが伺えるデータとなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 86 4.13 2.61 0.00% 69.35 内視鏡的大腸ポリープ切除術
050130xx9900x0 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 55 34.33 17.38 3.64% 85.04
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 49 8.41 7.58 4.08% 66.73
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 42 12.02 8.75 0.00% 76.62 内視鏡的逆行性膵胆管造影検査
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 40 16.40 13.52 0.00% 79.03
当院の内科は循環器内科と消化器内科が中心となっています。消化器内科では、内視鏡による治療に力を入れており、それが1位の大腸のポリープを内視鏡的に切除する『小腸大腸の良性疾患』と4位の内視鏡により胆管に生じた結石を除去する『胆管(肝内外)結石、胆管炎』です。また、この地域の高齢化を反映してか、高齢が原因による心機能が低下から生じる『心不全』が2位、『腎臓又は尿路の感染症』が5位と高齢者のかかりやすい疾患が上位となっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 95 6.58 5.86 2.11% 2.95
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 69 6.73 5.62 0.00% 2.20
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 52 5.19 5.64 0.00% 5.08
080270xxxx0xxx 食物アレルギー-手術なし-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 41 1.00 2.69 0.00% 2.83 食物経口負荷試験
030270xxxxxxxx 上気道炎-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 39 5.13 4.72 0.00% 2.77
当院の小児科は1位が『インフルエンザ、ウイルス性肺炎』となっています。これはインフルエンザの他にもRSウイルスなど子どもがかかりやすいウイルス性肺炎を取り扱ったものです。2位も『肺炎(1歳以上15歳未満)』となっていますが、こちらは細菌性の肺炎を取り扱ったものになります。小児は大人に比べ回復が早い傾向にありますが、症状の悪化で早急の対応が必要な状況の場合も多々あります。当院ではそのような状況でも対応できるよう医師・看護師含め体制を整えています。
 また、当院ではアレルギーの検査、治療にも力を入れています。4位の『食物アレルギー』は、アレルギーが確定しているかもしくは疑われる食品を摂取し、症状が出現するかどうかを確認する検査である食物経口負荷試験の検査入院になっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 131 3.31 4.55 0.00% 68.56 鼠径ヘルニア
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)-腹腔鏡下胆嚢摘出術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 35 5.23 5.98 0.00% 61.37 腹腔鏡下胆嚢摘出術
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:0-副病:なし-0 28 17.36 15.12 0.00% 73.71 大腸切除術
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 28 10.79 9.88 0.00% 73.00 乳房切除術
060150xx03xxxx 虫垂炎-虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 25 5.12 5.29 0.00% 37.28 腹腔鏡下虫垂切除術
当院の外科は、腹腔鏡での手術技術が高いことが特徴であり、腹腔鏡手術の指導医・認定医が複数名常勤しています。腹腔鏡での手術では傷も小さく、開腹手術より術後回復が早いとされています。症例上位は鼠径ヘルニア、胆のう結石、結腸の悪性腫瘍、虫垂炎などほとんどが腹腔鏡での手術を行った症例となっています。また、大腸癌、胃癌、肝癌などの悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を積極的に実施しております。また、当院では福島県立医科大の乳腺外科の指導、協力により乳癌の手術件数も上位の疾患となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 45 36.09 25.50 13.33% 83.29 大腿骨骨折観血的整復術
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 26 31.85 19.34 11.54% 79.54
160760xx97xx0x 前腕の骨折-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:なし-0 13 8.08 4.76 0.00% 58.62 手首の骨折
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼-骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 11 28.64 14.00 0.00% 70.64 鎖骨骨折の手術
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼-骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 10 26.20 18.32 0.00% 49.90 足関節の手術
当院の整形外科の特徴は、『股関節・大腿骨近位の骨折』による手術と『胸椎・腰椎の圧迫骨折』の症例が多く、これらは高齢者に多くみられる傷病です。当院の整形外科部長は足部・足関節疾患が専門である『足関節・足部の骨折』、整形外科科長の専門分野である肩関節の『肩関節周辺の骨折・脱臼』も上位の疾患となっています。上位の疾患には入っていませんが、足関節や肩関節の関節鏡下手術なども積極的に行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症-手術なし-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 12 16.08 12.88 0.00% 64.58
080250xx9701xx 褥瘡潰瘍-手術あり-処置1:なし-処置2:あり-副病:0-0 - - 44.64 - -
080250xx99x1xx 褥瘡潰瘍-手術なし-処置1:0-処置2:あり-副病:0-0 - - 32.38 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 - - 3.93 - - 皮膚腫瘍摘出術
080005xx99x0xx 黒色腫-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 - - 11.84 - -
当院の形成外科の1位である『膿皮症』は、皮膚とそのすぐ下の組織に生じる感染症である蜂窩織炎が含まれる区分となっています。また、高齢者が多い地域であることを反映して褥瘡による入院も多くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 48 1.21 2.43 0.00% 31.48 子宮内容除去術
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍-子宮全摘術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 36 8.81 9.23 0.00% 49.42 子宮全摘術
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 26 5.39 6.00 0.00% 45.81 婦人科 開腹手術
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 22 3.41 5.10 0.00% 33.64 妊娠糖尿病検査
120090xx97xxxx 生殖器脱出症-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 21 7.48 7.89 0.00% 71.38
実際には正常分娩が最も多く取り扱われる入院ですが、医療保険を使用した入院ではないためカウントされません。そのため保険診療とされる流産に伴う入院、妊娠糖尿病など妊娠合併症に伴う管理入院や異常分娩が上位疾患となっています。また、婦人科疾患である子宮筋腫や卵巣腫瘍による手術入院。また高齢が原因となって生じる子宮脱などが上位の疾患となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 49 8.86 6.85 0.00% 78.08 経尿道的膀胱腫瘍切除術
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:0-0 49 2.14 2.44 0.00% 72.47 前立腺生検
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 23 11.52 13.52 0.00% 72.87
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患-経尿道的尿路結石除去術-処置1:0-処置2:0-副病:なし-0 10 6.70 5.22 0.00% 60.30 経尿道的腎尿管砕石術(TUL)
110070xx99x20x 膀胱腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:2あり-副病:なし-0 - - 9.06 - -
当院泌尿器科では、膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が1位、前立腺癌が疑われる患者さんに対して、前立腺の細胞を採取する前立腺生検入院が次いで多い症例となっています。また、腎盂腎炎や膀胱炎などの尿路の感染症疾患、尿管結石に対する経尿道的手術、膀胱癌に対する化学療法入院が多い疾患となっています。上位疾患には入っていませんが、昨年度途中から前立腺肥大症に対する経尿道的水蒸気治療(WAVE)を開始し、今年度は上位の取り扱い疾患となる見込みです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 30 - - 27 - 12 1 8
大腸癌 29 32 44 42 18 23 2 9
乳癌 15 - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - 15 - - 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は消化器内科、消化器外科の専門医多く在籍し、胃や大腸など消化器系の癌を中心に診療しています。当院では、癌治療のガイドラインである癌取扱い規約にのっとり、手術や化学療法、緩和ケアなどを患者さんの状態に応じて実施しています。初期のがんに対する内視鏡治療や腹腔鏡下手術を行っているためStageⅠの患者が多い一方で、末期の患者に対するターミナルケアも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 9.18 53.53
中等症 61 22.25 82.21
重症 12 21.25 82.67
超重症 - - -
不明 - - -
成人の市中肺炎(病院外で日常生活をしていた人に発症する肺炎)の重症度を表しています。当院の特徴として、重症度が上がるにつれ平均年齢も上がっているため、高齢者の肺炎が重症化しやすいことが伺えます。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 9 46.44 86.33 40.00%
その他 1 19.00 90.00 0.00%
当院での脳梗塞は高齢者が多く見られます。当院には脳神経外科がないため、手術を行わない保存療法が中心となっており、開頭手術が必要な症例は、対応可能な医療機関に紹介しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 86 1.42 1.92 0.00% 69.79
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 36 3.86 14.47 2.78% 79.14
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 24 2.46 7.38 0.00% 70.33
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他) 23 2.65 10.61 0.00% 74.39 内視鏡的逆行性膵胆管造影検査
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 20 1.00 6.20 0.00% 72.60 ESD(内視鏡的胃粘膜下層剥離術)
当院では、内視鏡による治療を多く実施しており、内視鏡を用いた大腸ポリープの切除や胆管に生じた結石の除去、腫瘍などにより閉塞した胆管を広げるためのステントの留置や早期胃癌の切除などを行っています。また、肝臓癌や肝硬変などにより貯まった腹水に対し、腹水をぬいて、細菌やがん細胞を取り除き、アルブミンなどが濃縮された腹水を体へ戻す腹水濾過濃縮再静注法も行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 104 1.01 1.27 0.00% 65.51 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 1.15 3.08 0.00% 62.28 腹腔鏡下胆嚢摘出術
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 2.90 14.77 0.00% 73.00 大腸切除術
K6335 鼠径ヘルニア手術 28 1.00 1.46 0.00% 74.86 鼠径ヘルニア手術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 25 0.68 3.44 0.00% 37.28 虫垂切除手術
当院の外科は、腹腔鏡での手術技術が高いことが特徴であり、腹腔鏡手術の指導医・認定医が複数名常勤しています。そのため、上位のうち4項目が腹腔鏡を使用した手術となっています。鼠径ヘルニア、胆嚢結石などによる胆嚢摘出、虫垂炎による虫垂切除などです。また、大腸癌や肝臓癌を腹腔鏡で切除する治療も積極的に行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 40 1.48 36.15 17.50% 82.33 大腿骨骨折観血的整復術
K0811 人工骨頭挿入術(股) 20 1.65 34.25 5.00% 78.55 人工骨頭置換術
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) etc. 14 1.00 3.21 0.00% 39.79 プレート・鋼線抜去
K0821 人工関節置換術(膝) etc. 13 1.00 28.92 0.00% 70.69 人工膝関節置換術
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) etc. 12 1.67 10.00 0.00% 44.08 鎖骨骨折の手術
上位2つの手術は主に大腿骨頚部骨折に対して行うもので、これは高齢者が転倒・転落した際によくみられる骨折です。当院では、地域連携パスを活用して、手術後にリハビリ専門病院へ転院していただくことで、より早く患者さんが機能回復できるよう取り組んでいます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 36 1.31 6.69 0.00% 49.75 婦人科 開腹手術
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 35 0.51 0.09 0.00% 31.63 子宮内容除去術・流産手術
K861 子宮内膜掻爬術 30 0.00 0.30 0.00% 48.37 子宮内容除去術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 30 1.13 3.23 0.00% 43.10 婦人科 腹腔鏡手術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 18 1.11 1.00 0.00% 38.11 円錐切除術
子宮筋腫などの良性腫瘍、子宮がんなどの悪性疾患を含めて子宮全摘術、子宮附属器の摘出が多く実施されています。また、初期の子宮頚癌やがんの一歩手前の状態と言われる子宮頚部高度異形成などでは、子宮頚部の一部を切除する『子宮頚部(腟部)切除術』が行われています。また、妊婦さんにとってはつらいことではありますが、自然流産は10~15%の確率でおこる、比較的多い症例です。その原因のほとんどが赤ちゃんの染色体の異常と言われています。流産の際、妊娠に伴う組織が子宮の中に残ってしまうことがあり、そのような際は手術を行い、排出をはかります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 49 1.37 6.51 0.00% 77.86 経尿道的膀胱腫瘍切除術
K841-6 経尿道的前立腺吊上術 44 1.00 6.07 0.00% 75.18 経尿道的前立腺水蒸気治療(WAVE)
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 10 1.00 4.70 0.00% 60.30 経尿道的腎尿管砕石術(TUL)
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - - 腹腔鏡下腎臓摘出術
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) - - - - - 経尿道的腎尿管砕石術(TUL)
膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が1位となっています。これは、お腹を切ることなく切除鏡とよばれる特殊な内視鏡(カメラ)を尿道から膀胱内へ入れて、内視鏡の先端についた電気メスで膀胱の腫瘍を削ぎ取る手術です。また、経尿道的前立腺吊上手術は本来前立腺の中にインプラントを埋め込み、尿の通り道を開通させ、排尿できるようにする治療法ですが、前立腺組織を水蒸気で約70℃まで上昇させ組織を壊死させる水蒸気治療(壊死した組織は体に自然吸収されます)に対する算定になります。これは、診療報酬上令和5年度まで水蒸気治療が前立腺吊上手術に準じて算定されていたためです。令和6年度からは独立した手技として取り扱われています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.27%
180010 敗血症 同一 - -
異なる 20 0.53%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)は感染症に合併することが多く、全身の血管内で血栓ができる病態です。敗血症は、血液が細菌に感染し、全身に炎症を起こす病態です。DIC、敗血症の診断をする場合、血液データや全身状態により判断します。抵抗力が落ちている小児・高齢者は重篤になると生命が危険な状態になる場合もあります。手術・処置の合併症には、術後の出血、創部感染、縫合不全などがあります。一定の確率で起こり得るものですが、発症が最小限になるよう努める必要があります。 当院では、2次的におこりうる術後の感染症予防対策や院内感染対策として、感染対策チームによる巡視や手洗い調査や勉強会を行い、院内全体で感染対策への意識を高める取り組みを行っています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
696 682 97.99%
肺血栓塞栓症は、肺動脈に血の塊(血栓)が詰まって起こる病気でその原因は下肢の静脈(深部静脈)に血栓ができて、それが剥がれて血液の流れに乗って肺動脈に運ばれることです。全身麻酔など侵襲性の高い手術ではベッドで安静にする時間が長く下肢に血栓ができやすくなってしまいます。これを防ぐために弾性ストッキングや空気圧迫装置を使い血栓を予防しています。当院ではほぼすべての手術症例で肺血栓の予防対策を実施しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
638 440 68.97%
血液培養とは、患者さんの血液を採取して液体培地の入ったボトルに注入し、細菌や真菌などの微生物の有無を確認する検査です。感染症や敗血症が疑われる場合に行われます。血液培養では、皮膚の常在菌が混入する可能性があります。2セット採取することで、常在菌の混入かどうか判断しやすくなります。また、感度を上げることになり、見落としや偽陽性による過剰治療を防ぐことにもなります。当院では原則2セットを実施することとなっていますが、血液採取が困難である場合もあり、1セットのみになってしまうケースもあります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
296 139 46.96%
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、当院でも抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織し、抗菌薬適正使用を推進する取り組みを行っています。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査を行っています。
更新履歴
2024/9/12
令和5年度公立岩瀬病院病院情報データを作成しました。
2024/9/20
令和5年度公立岩瀬病院情報を公表します。