平成29年度 公立岩瀬病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1306 216 151 223 243 325 676 749 762 206
当院入院患者の平均年齢は46.9歳となっています。しかし実際にその年齢層の患者が多いということではなく、小児患者と高齢者の比率が多くなっています。とくに10歳未満の患者数は平成28年度に比べて数、割合ともに大きく増えており、産婦人科開設に伴う新生児の入院による影響が大きいと考えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 63 37.73 17.71 9.52% 82.46
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎-処置2:なし 49 9.67 5.50 0.00% 55.61
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 46 14.54 10.61 0.00% 72.72
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎-手術なし-処置2:なし-副病:なし 44 37.41 20.83 9.09% 85.68
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)-手術なし-処置2:1あり-副病:なし-85歳未満 35 31.03 14.27 0.00% 62.23
当院の内科症例上位に関して、全国平均との比較で着目すべき点は、心不全と誤嚥性肺炎の平均在院日数と平均年齢です。心不全、誤嚥性肺炎の平均年齢はいずれも80歳代と高齢であり、加齢とともに全身状態の悪化、免疫力低下による回復力の遅延などの要因が重なり、在院日数も長期となっていると考えられます。当院では、長期臥床による合併症の予防の為にも、積極的にリハビリ介入をすすめております。特に嚥下訓練に力を入れ、必要に応じて嚥下内視鏡により呑み込みの状態を確認し、食事に移行できることを目標とし早期回復をめざして取り組んでおります。また、3番目多い症例となった胆管結石に関しては消化器内科医による内視鏡手術を行っています
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満)-手術なし-処置2:なし-副病:なし 314 6.09 5.70 0.00% 3.39
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎-処置2:なし 223 6.51 6.03 0.00% 2.39
100380xxxxxxxx 体液量減少症 115 5.05 9.16 0.00% 3.83
040100xxxxx00x 喘息-処置2:なし-副病:なし 101 5.98 6.32 0.00% 3.81
0400801099x00x 肺炎等(0歳)-手術なし-処置2:なし-副病:なし 86 6.30 6.10 0.00% 0.01
当院の小児科は小児の感染症による疾患が上位になっています。特に平成29年度に産婦人科病棟を開設したことにより、0歳児の肺炎による入院件数が増加しました。小児は大人に比べ回復が早い傾向にありますが、症状の悪化で早急の対応が必要な状況の場合も多々あります。当院ではそのような状況でも対応できるよう医師・看護師含め体制を整えております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx03xxxx 虫垂炎-虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 40 4.58 5.56 0.00% 31.50
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)-腹腔鏡下胆嚢摘出術等 27 6.33 6.64 0.00% 58.89
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 25 19.96 15.61 0.00% 74.12
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-手術なし-処置2:なし-副病:なし 24 8.83 7.21 0.00% 77.33
060150xx99xx0x 虫垂炎-手術なし-副病:なし 24 10.17 7.01 0.00% 35.04
当院の外科は、腹腔鏡での手術技術には定評があり腹腔鏡手術の指導医・認定医が常勤しています。腹腔鏡での手術では傷も小さく、開腹手術より術後回復が早いとされています。症例上位の虫垂炎、胆のう結石を始めとして、全国平均在院日数より短い日数での退院実績となっています。また、大腸癌、胃癌、肝癌などの悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を実施しております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 42 47.43 27.09 50.00% 81.48
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし-副病:なし 37 36.76 19.94 21.62% 79.81
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 19 29.90 23.14 21.05% 70.58
160760xx97xx0x 前腕の骨折-手術あり-副病:なし 15 9.53 5.21 0.00% 53.67
160700xx97xx0x 鎖骨骨折、肩甲骨骨折-手術あり-副病:なし 13 9.46 5.54 0.00% 48.46
当院の整形外科の特徴は、外傷・骨折による、手術及び、経過観察の症例が多い傾向となっています。全体的に在院日数が長い要因として、高齢などの理由により退院後自宅療養が困難で、リハビリ施設への転院を希望されるケースが多いにもかかわらず、転院までの待機経過が長くなっていると考えられます。当院では、そのような現状も踏まえ地域包括ケア病棟の導入を図り、急性期の治療がほぼ完了しリハビリ中心となった整形外科患者さんを、地域包括ケア病棟へ切り替えることで、患者さんに安心して療養していただけるよう病院全体として取り組み始めています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 42 1.21 2.43 2.38% 34.86
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病-手術なし 27 3.56 5.93 0.00% 33.96
120170xx99x0xx 早産、切迫早産-手術なし-処置2:なし 25 3.52 20.41 0.00% 30.64
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍-子宮全摘術等 21 10.14 9.91 0.00% 46.81
120165xx99xxxx 妊娠合併症等-手術なし 18 5.56 12.02 0.00% 29.72
平成29年より産婦人科が稼働し、534件の分娩がありました。正常分娩は医療保険を使用した入院とはカウントされないため、流産手術や妊婦の管理入院が上位となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置1:なし-処置2:なし 40 8.23 7.31 0.00% 72.95
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症-手術なし-副病:なし 30 9.77 12.34 0.00% 70.30
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 10 13.80 12.23 0.00% 62.30
110320xx99xxxx 腎、泌尿器の疾患(その他)-手術なし 9 4.56 9.62 0.00% 81.78
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍-前立腺悪性腫瘍手術等-処置2:なし 7 17.29 12.92 0.00% 70.14
膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)の症例が1位となっています。お腹を切ることなく切除鏡とよばれる特殊な内視鏡(カメラ)を尿道から膀胱内へ入れて、内視鏡の先端についた電気メスで膀胱の腫瘍を削ぎ取る手術です。お腹を切る開腹手術に比べて術後の痛みが少なく、入院期間も短くてすみます。また、感染症の治療なども大きな割合を占めています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 28 1 12 11 3 41 1 7
大腸癌 17 21 35 16 15 87 2 7
乳癌 5 4 1 0 0 4 1 7
肺癌 0 0 1 1 1 2 1 7
肝癌 1 2 3 3 3 27 2 5
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院で入院治療を行った癌の初発(初めて発見されたもの)のステージ分類と再発件数の表示です。当院では、胃・大腸の消化器系の癌が大半を占めており、初発でステージⅣと遠隔転移(癌が他の臓器や器官へ移動し増えたもの)があるケースも少なくありません。当院では癌治療のガイドラインである癌取扱い規約にのっとり、手術や化学療法を患者さんの状態に応じて実施しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 10.94 54.11
中等症 61 23.85 80.66
重症 13 31.31 86.85
超重症 7 27.14 86.43
不明 - - -
当院の市中肺炎の特徴として、平均年齢の高さがあげられます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 23 33.04 83.43 18.52%
その他 4 52.00 72.00 3.70%
当院の脳梗塞の発症平均年齢は70歳~80歳で多く見られます。当院には脳神経外科がないため開頭手術が必要な症例は、対応可能な医療機関に紹介しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 201 1.15 2.13 0.00% 65.64
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 29 3.52 23.86 0.00% 79.93
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 25 5.84 11.60 0.00% 68.68
K654 内視鏡的消化管止血術 24 1.92 11.96 8.33% 70.08
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 18 1.00 2.78 0.00% 60.72
当院内科では、内視鏡手術の領域は幅広く実施しています。ポリープ切除をはじめ、胆道系の排石術、ステント留置術、胃瘻造設術など高度な技術を要する手術も行われています。当院の内視鏡による手術で最も多い大腸ポリープ切除ですが、切除後2日間の経過観察し、退院していただいております。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 16 0.00 11.56 6.25% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 2 0.00 3.50 50.00% 0.00
K331 鼻腔粘膜焼灼術 1 3.00 5.00 0.00% 59.00
K7151 腸重積症整復術(非観血的) 1 0.00 7.00 0.00% 1.00
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 1 1.00 8.00 0.00% 73.00
平成29年より産婦人科が稼働し、新生児に対する処置が増加しました。新生児仮死とは、出生時の呼吸や循環が良くない状態のことでアプガースコアと呼ばれる指標により1度、2度に分けられます。2度の方が重症です。保温、気道内の吸引、酸素投与による呼吸の補助などが行われます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 109 0.42 2.52 0.92% 60.27
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 1.20 3.98 0.00% 59.50
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 40 0.45 3.13 0.00% 31.50
K6335 鼠径ヘルニア手術 34 0.35 2.59 0.00% 70.59
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 24 5.92 14.38 0.00% 72.08
当院の外科手術の中でも、腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術は件数も多く小児から高齢者まで行っています。ヘルニア専門外来を設け患者さんの状態により高度な技術で対応しています。当院では、鼡径ヘルニア以外にも、胃、大腸、胆のう、肝臓などの腹腔鏡手術も行われています。内視鏡認定医、指導医の資格を取得している医師がサポートし技術指導も行われています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 34 3.88 36.47 41.18% 72.18
K0821 人工関節置換術(股) etc. 29 3.14 29.24 17.24% 72.28
K0732 関節内骨折観血的手術(足) etc. 22 3.55 24.82 0.00% 58.77
K0811 人工骨頭挿入術(股) etc. 19 6.00 39.53 52.63% 82.95
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 18 0.94 9.06 0.00% 55.61
当院では高齢者の大腿骨頸部骨折対する治療が多くなっています。地域連携パスを活用し、回復期はリハビリ専門病院へ転院となるため、転院率が高くなっています。 また、当院では変形性関節症に対する人工関節手術や「足の外科専門外来」を開設し足部の怪我・障害に対する治療も行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 39 0.13 0.18 2.56% 35.03
K877 子宮全摘術 27 1.82 7.96 0.00% 50.93
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 14 1.00 3.36 0.00% 39.79
K861 子宮内膜掻爬術 8 0.13 1.25 0.00% 48.13
K879 子宮悪性腫瘍手術 6 3.83 7.67 0.00% 56.67
流産は子宮の中身が完全に排出されている「完全流産」の場合と、一部が子宮内に残留している「不完全流産」の場合があります。「不完全流産」の場合、流産手術を行って妊卵と胎盤を取り出す手術を行うことがあります。 子宮筋腫においては筋腫においては筋腫の核出および全摘出術にも対応しています。内膜病変の検索として子宮内膜掻爬術や悪性腫瘍と診断された場合の子宮悪性腫瘍手術も行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 43 1.42 5.91 0.00% 73.74
K610-3 内シャント設置術 11 3.18 16.09 0.00% 70.73
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 10 0.80 2.50 0.00% 61.80
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 9 1.67 10.00 0.00% 71.44
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 7 0.00 1.43 0.00% 71.14
膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)の症例が1位となっています。お腹を切ることなく切除鏡とよばれる特殊な内視鏡(カメラ)を尿道から膀胱内へ入れて、内視鏡の先端についた電気メスで膀胱の腫瘍を削ぎ取る手術です。お腹を切る開腹手術に比べて術後の痛みが少なく、入院期間も短くてすみます。また、透析患者に対する内シャント増設術やESWLといわれる尿管結石や腎結石に対しての体外衝撃波破砕術を行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 6 0.12%
180010 敗血症 同一 15 0.31%
異なる 30 0.62%
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.02%
異なる 1 0.02%
180040 手術・処置等の合併症 同一 5 0.10%
異なる 1 0.02%
播種性血管内凝固症候群(DIC)は感染症に合併することが多く、全身の血管内で血栓ができる病態です。 敗血症・真菌感染症は、血液が細菌に感染し、全身に炎症を起こす病態です。 DIC、敗血症の診断をする場合、血液データや全身状態により判断します。抵抗力が落ちている小児・高齢者は重篤になると生命が危険な状態になる場合もあります。 敗血症に陥り緊急入院した患者さんが15人に対し、入院後に合併発症した患者さんは30人でした。 手術・処置の合併症には、術後の出血、創感染、縫合不全などがあります。一定の確率で起こり得るものですが、発症が最小限になるよう努める必要があります。 当院では、2次的におこりうる術後の感染症予防対策や院内感染対策として、感染対策チームによる巡視や手洗い調査や勉強会などにより、院内全体で感染対策の意識を高める取り組みを行っています。
更新履歴
2018/09/25
平成29年度公立岩瀬病院 病院指標を公表